スパニッシュなコード進行とは?:この曲どう料理する?ギタリストのアレンジ術40策(21)

さて第17回~~第20回にわたり右手のリズムスタイルのみ変えてできるバリエーションとして、スイングジャズワルツボッサソウル風をフィンガースタイルでアレンジしてみた例をご紹介しました。様々なジャンルのリズムを、ギター1本でどう表現するかということを体得してゆくのがポイントになります。

 

この例はまだ続きがありますが、ここで少し休憩・・・

 

ということで、ここでフラメンコ的なアプローチを一つやってみたいと思います。

 

ラスゲアード(かき鳴らし奏法)を含む、フラメンコのストローク・ソロ例です↓

このバージョンは、フラメンコの世界では定番である12拍子系のブレリアスという曲種のリズムで弾いています。

 

リズムも確かにマニアックですが、サウンドがまたメジャーでもマイナーでも無い特徴的な響きとなっています。これは最もフラメンコっぽいモードであるミの旋法(フリジアン・モード)でアレンジしてあります。

 

ここでフラメンコ的なサウンド、コードのポイントについて少しご紹介したいと思います。

 

西洋クラシック音楽を中心に考えますと、メジャー・キー(長調)、マイナー・キー(短調)が一般的ですが、そこにジャズやロックで幅を利かせる(?笑)ブルース・キー加わります(参照:ブルース・アレンジ)。そしてもうひとつが、フリジアン・モードとして知られるスパニッシュ・キーです。

 

譜例を見ると、ハ長調(Cメジャー)と同じ音階を使いながらも中心点は「ミ」となっており、終止がEマイナー(ダイヤトニックコードの標準型)ではなくEメジャーになっています。

フラメンコなコード進行

b9thのテンションが主音(今の場合はE)のコードが弾かれるときに頻繁に聞こえてきます。また、ギターの開放弦と絡ませることが好まれ、フラメンコっぽさを増長させています☆


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