セカンダリー・ドミナント:この曲どう料理する?ギタリストのアレンジ術40策(14)

第11回でダイヤトニックコードの基本について触れましたが、今回はその続き、次の段階についてお届けします☆

 

ここではいわゆる

 

 「セカンダリー・ドミナント」

 

というアプローチについて、その実践編を見てみましょう。

<セカンダリー・ドミナントの実践方法>

 

手順1:まず目的地(のコード)を定める

 

手順2:その目的地から完全5度上(完全4度下)に7(ドミナントセブン)コードをかます

ダイヤトニックコード7つのうち、Ⅴのコードは唯一の「7(ドミナントセブン)」コードです。

 

M7(メジャーセブン)はⅠとⅣのコード、m7(マイナーセブン)はⅡ、Ⅲ、ⅥとⅦ(5度は♭)のコード、それぞれ2つ以上あります。Ⅴのコードだけが少し目立っている感じです。

 

そのⅤコードはⅠへ進行しようと強く主張してるかのようなサウンドを持っています。主和音であるⅠを最大限に引き立てる、あるいは決定づけるということから「支配する=Dominant」という意味で「ドミナント・コード(日本語では属和音)」と呼ばれます。

 

 

VのコードからⅠのコードへの動き、分かりやすくキーCで言えば、G7からCへのコード進行、「ソッ、ドー」という動きを「ドミナント・モーション」と言ったりします。

 

本来の「Ⅴ7⇒Ⅰ」以外の場所に、この「ドミナント・モーション」の働きを副次的に創り出すコード進行アレンジが「セカンダリー・ドミナント」です!

 

 

耳で確かめてみてください↓

音源には次の5種類の例が含まれています(ちょっと強引に入れた部分もありますのでご了承ください^_^;)。

 

 ①B7⇒Em

 ②C7⇒F

 ③A7⇒Dm

 ④E7⇒Am

 ⑤D7⇒G

 


それから、わざとらしくフェルマータ(小休止)するように作ってありますが、ドミナントモーションの場所を明示するためですのであしからず。

 

強い引力(みたいなサウンド)を持つドミナントセブンのコードからメジャーやマイナーのコードに進行して落ち着くその安堵感みたいなものが感じられなかったでしょうか? 

 

 

 

では最後に譜面です↓

セカンダリードミナントの手法を使ってコード進行をアレンジしたHappyBirthdayToYou(key of C)

※赤線で結ばれたコード進行は「ドミナント・モーション」を指しています。


前の記事<<「この曲どう料理する?ギタリストのアレンジ術40策(14)」>>次の記事

「この曲どう料理する?ギタリストのアレンジ術40策」目次