ルート音そのままでコード内の音を変える:この曲どう料理する?ギタリストのアレンジ術40策(12)

第10回第11回と、ダイヤトニックコードを使って、もとのコードを「取り替え」た例をお見せしました。題材曲の「Happy Birthday To You」は主要三和音(3コード)のみで和声づけしてあったものから、色合いを増してストーリー性も垣間見るような曲に変化して聞こえた方もおられるかもしれません。このように、コード進行を変えるアレンジというのは曲そのもにも大きな変化・影響を与えることができます。

 

今度は、素材となるコードは元のものを基本的にそのまま採用しながらも「味付けを変える」、つまり単純にコードネームの英文字(ルート音)は変えないで、コードのタイプ・種類(サフィックス)だけいじるというもの…をやってみたいと思います↓

聞いた感じ、いかがでしょう?

 

音だけでは、コード進行自体が原型からかけ離れているように感じるかもしれませんね。

 

しかし、下の譜例を見てみるとⅠ・Ⅳ・Ⅴのコード(キーがGなので、今の場合はG・C・D)だけで出来ているのが分かります。


実際にギターでハーモニーの味わいを確認できるようにTAB譜も付しておきます↓

HappyBirthdayToYou(G)内声変化

コードの面白さ奥深さがよくわかる例ではないかと思います☆

 

たとえばベースとピアノでの伴奏を想定してみてください。

 

ベースの人は、もしコードのルート音のみを弾くとしたら、3コードの原型のときとまったく同じG・C・Dの音を弾くだけです。いっぽう、内声を担当するピアノのほうは、ほとんどメロディ音符1個ごとにハーモニーが変わってゆくという忙しい動きになるのが想像できるでしょうか?

 

このようにアレンジにおいてコードに変化を付けようとするとき、今夜のオカズに例えるなら、素材自体を変えて全く別の料理を作ってご飯に添えるのと、素材は予定変更無しで味付けだけあるいは仕上げのスパイスだけ変えて作るのと、2種類あるということですね(こんな例でいいかな~^_^;)。

 

 

いかがでしたでしょうか?コードの話が少々続いてしまったので、次回は気分を変えてギター奏法の華、トレモロ・アレンジをお送りします!


前の記事<<「この曲どう料理する?ギタリストのアレンジ術40策(12)」>>次の記事

「この曲どう料理する?ギタリストのアレンジ術40策」目次