トライアド転がせたら次は開いたり閉じたり:知識ゼロからのギターコード攻略(10)

ここまでに「4種類の三和音(トライアド)違いを見分ける聞き分ける:第7回」「コードの中にあるトライアドのフォーム:第8回」「トライアドを上手に転がす:第9回」、とメジャーを題材にトライアドを見てきました。ルートポジション、第一転回形、第二転回形と三種類の様相をもつトライアドでしたが、トライアドには更にもう一つの形があるのをご存じの方も多いことでしょう。今回のテーマはこちらです。

 

「転回」ではなく今度は「展開(オープン)」

前回までに見てきたトライアドはギター上では隣り合う3つの弦を全て用いての三和音で、密集した形でしたが、これをバランスよく拡散させる広げることにより、わずか3音ながら重厚な響きを演出しアルペジオやソロギターの手法にも使い勝手の良いものにすることが出来ます。こちらは「転回」ならぬ「展開」ということになります。

 

下図の左側は、③②①弦でのメジャートライアドの第二転回形ですが真中に位置するルート(R)の音を1オクターブ下げてみると、中央・右図のようになります。これをオープンのトライアドと言います。それぞれ、5つの基本コードのうち、CのフォームとDのフォームになっているのにお気づきでしょうか。

 


 

 

同様に、④③②弦、⑤④③弦のメジャートライアドも確認してみます。

 



ベース音ばかりでなくトップノートにも注目

 

以上は低音側から「ルート・5度・3度」という配置になっていましたが、トップノート(一番高い音)に注目すると3度です。コードについて考えてみるとき、コードネームの付け方自体がルート音などの最低音に基づいているためベース音に気が向いやすいかもしれません。しかし、「3度がトップのトライアドは・・・?」という具合に連想出来ると、便利なこともあるわけです。例えば、「ルートがメロディの音の時にコードで支えて厚みを出したい・・・」というような状況のときは、次のフォームを使えばいいわけです。

 


※左側がクローズの(通常の)メジャートライアド、やじるしの右側がオープンのトライアドとなっています。

 



上述の内容は3度、ルートがトップに来るオープンのトライアドでした。最後に5度の音がトップに来るメジャートライアド(オープン)です。




 

 

いかがでしょうか。今回はオープンのトライアドについて解説いたしました。ここに示しただけでも合計15もの、オープンのトライアドのフォームが出て来てしまいました・・・。数が多くて消化しづらいかもしれませんが、とくにオープンのトライアドは、トップノートに注目すると良いでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

 

※クローズのトライアドをオープンにした際に、1種類のフォームだけのものと2種類のフォームがあるものがありますが、あくまで実際の演奏で使えるフォームを挙げてみたまでです。指の長い人には、上記以外にも押さえ方はあり得ると思いますのでご了承ください。

 

 

色々な方向から様々な距離から見てもトライアドはトライアド

 

<今回のまとめ>

 

トライアドは転回によって三つの姿に変えることが出来るだけでなく、それらを更に開いたり閉じたりさせることが出来る。

 

 

今回までで、トライアドにつての解説は一旦閉じますが、トライアドは転回しても、オープンにしても、音域を高くしても低くしても(使う弦とフレットポジションを変えたとしても)、すべて同じサウンドです。例えば、1個のリンゴを上から見たり下から見たり、少し遠目で見たりものすごく至近距離から見るとします。これらは、たとえ見え方は違ってもリンゴであることに変わりはありません。Cメジャーというトライアドが、第二転回形であってもルートポジションであっても、オープンで3度がトップに来ていてもどれも同じCメジャーというサウンドであることに変わりは無いのです。これがしっかり感じ取れるようになるために、これまで図で示してきた和音を何度も何度も押さえては鳴らしよく耳で確認してみてください。・・・このようなプロセスに慣れそして楽しめるように、これを機により深くじっくりと音楽と向き合ってみてはいかがでしょうか?

 

 



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