コードフォームの基本は5つだけ~視点を変えれば見えてくるコードの謎①~
前回お話した、ギターのコードで早い段階で覚えるであろうコード5つについておさらいしながら、今度はコードを見つめる視点について触れたいと思います。ギターの場合「どの弦の、何フレットを」という観点から入りやすいわけですが、押さえるべきあるいは鳴らすべき「その音は何の音?」という視点にシフトしてみましょう。
さっそく前回の5つのコードフォーム、C・D・E・G・Aを使って、説明してゆきます。まずCのコードですがそこで鳴っている音は以下の通りです。これはドレミファソラシドを弾いてみたことのある人なら別だん難しいこともないかと思います。
Cとはいわゆる「ドミソ」のコードですね。上図の場合、5つ音があるわけですが、ドレミの種類としては「ド」「ミ」「ソ」の3種類だけとなっています。そこにはレやファなどは入ってません。
それでは次に、Dのコードについて見てみます。とはいえ、しばらくは常にCのコードを中心に説明しますので、ここでは本当のDのコードではなく「Dのコードフォームを用いてCのコードを弾く」ということにします。
コードの形は開放弦で弾くDのコードフォームと同じで、10フレットまでずらしたものになります。かなりハイポジになりましたね。はじめはなかなか手ごわいコードに感じるかもしれませんが、いずれ使うときが来ると思いますのでぜひ練習してみてください。ポジションや押さえ方は違えどCはC、「ドミソ」の3種類の音しか含んでいないですね。
続いて、EのフォームによるCのコードです。
これはFのコードを8フレットまでずらして弾いたような感じになります。EとFのコードフォームは同じでしたね。ここでもやはり「ドミソ」の3種類の音が並んでいるでけです。
今度はGのフォームです。
実際にはこのように押さえて①弦から⑥弦まで全ての音を鳴らすという機会はほとんど無いかもしれませんが、例えばこのうち①弦~④弦だけとか、このフォームの部分的な使い方はかなり頻繁に目にするはずです。ここでも出てくる音は「ドミソ」だけでした。
では最後にAのフォームを見てみましょう。
いかがでしょうか。前回紹介した5つのコード、C・D・E・G・Aの全てのフォームでCのコードを見てゆきました。結局そこで鳴っている音は当然同じ音「ド」と「ミ」と「ソ」だった訳です。
<今回のまとめ>
◇同じひとつのコードでも、違うフレットポジションで異なる形で弾くことができる。Cの場合は5つの基本フォームで弾ける。
◇それぞれのコードには固有の「構成音」がある。Cの場合は「ド・ミ・ソ」である。
コードを攻略するためには、コードの構成音を知り、また何となく形で覚えて弾いていたコードも実際に何の音が鳴っているのかを理解してゆくことが必要になってきます。そしてそのためにはギターの指板上のどこに何の音が隠れているのかを学んでゆくこと欠かせません。このシリーズではその学び方についても、順を追って紹介してゆきます。